文化庁が主催する、日本の若手映画作家を育てるプロジェクトの一環で制作された和島香太郎監督作。限定地域での公開で始まるも口コミで評判が広がり、全国でのロングランヒットとなった静かな話題作だ。描かれるのは、50歳になった自閉症の息子と、彼を明るく支えながら見守る母の日常。その親子に扮するのは、実に54年ぶりの映画主演となった加賀まりこと、性格俳優としても大活躍する稀代のコント師・塚地武雅(ドランクドラゴン)。見た目も雰囲気も対称的な2人が、深い絆で結ばれた親子を好演する。
ちょっぴり辛口の人気占い師・珠子は、本当は几帳面で穏やかな性格だが周囲から誤解されることも多い“忠さん”こと忠男を、女手ひとつで育ててきた。昔、庭に父が植えた梅の木が、親子のささやかな日常を見守っている。だがその枝は伸び放題ではみ出し、隣に越してきた一家からは苦情が届くのだが…。
障害のある子を持つ家庭では、「親亡き後」が切実なテーマであるという。そうしたシリアスな問題をどこか軽やかでコミカルに、押しつけがましくなく描いた好編。ラストの余韻もサラリとしながら深く、珠子&忠さんの未来を想像したくなる。
START 5/11 水
ポイント 各 550円 / 2日間 ※
'21日本 監督 / 和島香太郎 出演 / 加賀まりこ、塚地武雅、渡辺いっけい
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のことわざから取られている。梅は成長のためには無駄な枝を切るべき樹木。だが本作を観ると、「“無駄”とは何か?」という素朴な疑問も湧き起こる。
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仲良し兄弟の日常に心温まる江國香織の小説を、森田芳光監督が映画化。スラッと長身の佐々木蔵之介と、愛おしい凸凹兄弟役を演じた塚地が、名だたる映画新人賞を総なめに。
※本作は、【通常版】【バリアフリー音声ガイド】【バリアフリー日本語字幕】の3形態で配信しています。視聴方法ごとにレンタル料が発生しますのでご注意ください
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト ©2006「間宮兄弟」製作委員会
※掲載の情報は2022年6月時点のものです。作品内容、視聴期間、販売価格などは、予告なく変更される場合があります。