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君の名は。

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「デジタル世代の映像文学」。深淵で詩的な世界観から、そんな風に称される作品を発表し続けている新海誠監督。 「君の名は。」の8/26(金)の劇場公開によせて、新作への思い、そしてU-NEXTでも配信している今までの劇場作品5編との繋がりについてお話を聴きました。





新作「君の名は。」の8/26(金)の劇場公開に合わせ、新海監督のコメント動画が届きました。短い中にも作品への深い愛情と誠実さがにじみ出る貴重な映像を、ぜひご覧ください。

新海誠 SHINKAI MAKOTO
1973年生まれ。2002年、個人制作した短編映画「ほしのこえ」 でデビュー。発表する作品のすべてが国内外の映画賞やアニメ賞を数多く受賞し、2012年、内閣官房国家戦略室より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」として感謝状を贈られるなど、 次世代のアニメーション監督として高い評価と指示を受けている。



107分を、喜怒哀楽のすべてでコントロールする

――

最新作「君の名は。」は、
従来よりもエンターテイメント色が強く感じられました。
前半は入れ替わりものの面白さをテンポよくコミカルに見せ、
後半は一気にシリアスに展開していきますね。
構成へのこだわりを聞かせてください。

新海誠監督



新海

「入れ替わりもの」の形を取っていますが、
実は本当に描きたかったのは、
お互いに手を伸ばしあう思春期のふたりのドラマでした。
物語の導入として、主人公のドキドキをわかりやすくするために、
そういう形にしたんです。
つまり、入れ替わりというのは、
お互いの人間関係を通じて「お互いを知る」ための装置のひとつなんです。

構成で一番意識していたのは、
107分という時間軸を“コントロールしつくす”ということですね。
107分を、観客の喜怒哀楽すべての感情で
引き付けられるようにしたかったんです。

予測させず、飽きさせず、かといって迷わせることもなく、
常に映画の時間のほうが観客の理解の少しだけ先に行っていて。
でも、時々立ち止まって観客の理解が追いつく瞬間を作って、
それをまた引き離して。

絵コンテを描いている時も、
観客の気持ちをひたすらシミュレーションしながら、
107分でひとつの音楽のようなものを奏でるんだ、
というつもりで作りました。
そこが一番こだわったところでしょうか。

それから、「若々しい映画にしたい」という思いは、常にありました。
後半からグッとシリアスにしていく、
というのは決まっていたのですが、
どこまでも重くするのはやめようと。

全編を通して、
笑いやコミカルな要素から手を離さないようにしよう、
決して深刻になり過ぎないようにしよう、
という点にもこだわりました。

新海誠監督



――

非常に印象的で、独創的なストーリー展開だったと思います。
この物語が生まれるきっかけは、何だったのでしょうか?

新海

物語の種みたいなものは、Z会の「クロスロード」というCMです。
あれも東京と地方に離れた男の子と女の子の物語だったんです。
Z会からは、“受験”というものを描いてほしいと言われていて、
受験生男女の話を描いたんですが、
その時にすごく手ごたえがあって。

人生には出会うべき相手がいるというテーマ、
つまり「運命の人って、いるんだよ」ということですよね。
それを、もう少し長い物語で描きたいと思ったのが
最初のきっかけですね。

新海誠監督



風景が美しくある“必然性”があった

――

新海監督の作品に多くのファンが魅了される理由には、
やはり映像美があると思います。
本作でも、ハッとするような美しい風景が多く描かれています。
特に本作での情景の描き方として、
意識されたのはどういう点でしょうか?

新海

はっきりとした答えにならないかもしれないんですけど…
今回はいつも以上に
「主人公のふたりが目にする風景が、美しくある必要がある」と
思っていました。

入れ替わってしまうふたり、瀧と三葉は、直接会えないけれど、
お互いを取り囲む風景は目にするわけです。
三葉は瀧になって東京に見とれ、
受験生男女の話を描いたんですが、
瀧を取り囲む世界や人々を通じて彼自身に惹かれていく。
そのためには、三葉が見る東京の風景はキラキラ輝いていないといけない。
「こんな素敵な場所に住んでいるこの子(瀧)って
どういう子なんだろう?」という感覚です。

新海誠監督



瀧についても、三葉が暮らす糸守町を「田舎だな」と思いつつも、
見とれるシーンをいくつか入れているんです。
こういう人たち、こんな風景に囲まれて暮らしている三葉のことが
ちょっと気になる、というわけです。

新海誠監督



風景の描写には現実感が必要、という面はもちろんあるんですけど、
現実をある意味でデフォルメして昇華させながら美しく描かないと、
主人公たちの気持ちの変化に対して説得力が得られませんし、
観客がキャラクターに気持ちを乗せにくくなってしまいます。
東京が濁った風景であれば、
三葉が瀧を好きになったことが体感的に納得できないと思うんです。

そういう面から風景を美しく描く必然性を意識しました。

――

ヒロインの三葉は組紐を使って髪を結い、
後半の大切なシーンでも組紐のイメージが登場しますね。
重要なモチーフに、
日本の古典的な工芸品である組紐を選ばれた理由は?

写真6



ちょっとロマンチックなラブストーリーでもあるので、
運命の赤い糸のようにも見えるモチーフが欲しいなと思っていて。
かつ、先人の知恵も伝えているものは何かと考えて。
いろいろ探していくと、
組紐って今の人たちにはあまり馴染みがないし、
アニメーションのビジュアルとしても
ちょっとキャッチーに見えるだろうと。

物語のために何が必要か、どういう要素が必要かは、
そんな風にひとつひとつ探していきました。

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新海監督が語る、「君の名は。」が“集大成”である理由

新海監督が語る、「君の名は。」が“集大成”である理由



2002年の劇場デビュー以来生み出してきた5つの作品について、新作「君の名は。」との繋がりという面からお話を聞きました。

新海誠監督

「ほしのこえ」(2002)
「君の名は。」でのスマホを使ったメッセージのやり取りは、この作品での主人公たちの携帯メールのやり取りを連想させると思います。しかももっと大きな部分でも「君の名は。」とリンクしています。楽しみにしていてください。

雲のむこう、約束の場所

「雲のむこう、約束の場所」(2004)
初の長編作品であり、苦労もしましたし、上手くいかなかった部分も多くて。語りたい要素が詰まった作品です。夢で出会う男女とか、地理的な断絶とか「君の名は。」にも共通点の多い作品だと思います。

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル(2007)
個人的な思いは別として、僕の作品の中でも好きだと言ってくれる方が多い作品です。僕にとってもこの作品を経たことで「より多くの人に見てもらう」ことを意識しはじめました。すれ違い続ける男女、という構造は「君の名は。」と同じといえますね。

星を追う子ども

「星を追う子ども」(2011)
モチーフとしては「生の世界と死の世界」を描くつもりだったんです。「君の名は。」にもそういう要素はあって、この作品から引っ張ってきた部分だと言えますね。ただ、当時は自己プロデュース面で足りなかった部分を強く感じます。

言の葉の庭

「言の葉の庭」(2013)
主人公がヒロインの足に触れるというフェティッシュな描写があるんですが、「君の名は。」では、さらにフェティッシュな描写があるんです。見る人が、新たな嗜好に目覚めたりすると作り手としてはこれ以上の喜びはないですね(笑)



RODSHOW

RODSHOW

君の名は。

「君の名は。」 http://www.kiminona.com/

新海誠監督待望の新作「君の名は。」は、夢の中で“入れ替わる”少年と少女の恋と奇跡の物語。世界の違うふたりの隔たりと繋がりから生まれる「距離」のドラマを圧倒的な映像美とスケールで描き出す。 誰もが経験したことのない、アニメーションの新領域。 新たな“不朽の名作”が誕生する!

【声の出演・スタッフ】 神木隆之介 上白石萌音  成田凌 悠木碧 島崎信長 石川界人 谷花音 長澤まさみ 市原悦子

原作・脚本・監督:新海誠
作画監督:安藤雅司
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:RADWIMPS



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©2016「君の名は。」

※掲載の情報は2016年9月の配信予定です。作品内容、視聴期間、販売価格などは、予告なく変更される場合があります。