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『寝ても覚めても』濱口竜介監督インタビュー 『寝ても覚めても』濱口竜介監督インタビュー

大学院の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭、東京フィルメックスに正式出品され、 前作『ハッピーアワー』ではロカルノをはじめとする国際映画祭で主要賞を受賞するなど、海外でも評価の高い濱口竜介監督。 そんな濱口監督が柴崎友香の恋愛小説を原作に挑んだのが『寝ても覚めても』だ。 気鋭の監督が正面から取り組んだ「恋愛映画」とは?

映画賞を席捲した大人の恋愛映画

寝ても覚めても

寝ても覚めても

STORY

東京。丸子亮平は勤務先にコーヒーを届けにきた泉谷朝子と出会う。ぎこちない態度を取る朝子に惹かれていく亮平と、戸惑いながら彼に惹かれていく朝子。だが、朝子にはある秘密があった。実は亮平は、朝子がかつて運命的な恋に落ちた相手に顔がそっくりで…。

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映画として面白く描けるその確信があった物語です( 濱口竜介 )
濱口竜介

緻密に設計された
「濱口メソッド」

一筋縄ではいかない。そんな映画だ。昔の恋人とそっくりの男性が目の前に現れ、2人の男性の間で心が揺れるヒロイン。しかし、そんなロマンティックな道具立てを越えて、『寝ても覚めても』が突き付けてくるのは、人の存在の不確かさや日常のもろさだ。監督の濱口竜介は柴崎友香の原作を読んで、映画化を強く希望したという。

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2013年くらいから、制作を担当したプロデューサーと商業作品の話を進めていました。第1作目はオリジナルでは難しいと言われ、『何か原作はないですか?』と聞かれたんです

柴崎友香の作品は好きで、以前から読んでいたという。その中で『寝ても覚めても』を選んだ理由とは?

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一言でいうと、キャッチーな作品。リアリスティックに描くこともできるし、フィクションならではの面白さを付け加えることもできる。読んだ瞬間に、これは映画にできる、映画にしたいと思いました

ヒロインの朝子の前に現れるのは、「麦」「亮平」という、同じ顔を持つ2人の男性。この役を一人二役で演じた東出昌大のキャスティングも、濱口の強い希望だった。

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この小説を映画化しようとした時から、東出さんがいいのではないかと思っていました。麦はのちにモデルとしてデビューするので、それくらい格好がいいという設定があって、一方で亮平は空気の読めるいいヤツです。パリコレに出演していながら、バラエティ番組などでは気さくな印象のある東出さんが思い浮かびました。『桐島、部活やめるってよ』での演技も鮮烈でした

これが映画初出演となるヒロインの唐田えりかは、オーディションで選ばれた。決定打は「声」だったという。

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僕のオファーは『麦と亮平、どちらも本当に好き』という表現にしてほしいということ。全員に脚本を読んでもらった時に、唐田さんの声は『本当にそう思っているように聞こえるな』と思えた。それで決まりました。演技経験があまりないことは気になりませんでしたね

それぞれの友人役を務めた伊藤沙莉、瀬戸康史も濱口のチョイスだ。

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東京芸大の映像研究科の先輩の修了制作に、まだ子役だった伊藤さんが出ていて、すごくいいなあ、と感じていました。伊藤さんがいまだに活躍していることは知っていたので、彼女ならできるはずだ、と。瀬戸さんは一般的にはかわいらしいイメージだったと思いますが、塩田明彦監督の『昼も夜も』を見て、どんな役でもできる方だと思ったんですね

納得の俳優陣を揃えた現場だったが、撮影の前にはまず、丹念なワークショップが行われた。

濱口竜介
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演技ワークショップで
俳優同士の関係を築く

例えば、東出昌大は麦として、幼い頃の思い出を語る。唐田えりかは朝子として、麦、亮平、それぞれと日常会話を交わす。脚本には書かれていないさまざまなシチュエーションを濱口が書き起こして、メインの俳優がセッションとして演じる試みが行われた。

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前作『ハッピーアワー』も映像ワークショップから生まれた作品なのですが、役者さん同士の人間関係ができているほうが、絶対演じやすいと思ったんですね。なぜなら、演技というものは、それなりに恥ずかしかったりバカバカしかったりするものなので、どういう人かわからない人の前で演技をするのは、役者さんにとっても、あまり安心のできることではないんです。それから、単純に、役に関する情報が増えれば増えるほど、役者さん自身が解釈して演じる足がかりになると思いました

また、本番では俳優陣に「カットのつながりは意識しなくていい」と伝え、自然な演技の流れを重視。演者の息づかいがリアルに反映された作品となった。公開後は高く評価され、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品も果たした。

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映画祭で評価されたイコール普遍的ということではないかもしれませんが、地域やローカルな文脈を越えて、楽しんでもらえる作品を作れたという自信にはなりました

ところで、時に衝動的なヒロインの行動を、濱口自身はどうとらえているのだろうか。

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本当に自分がどうしたいのか、人はあまりわかっていないと思います。ある瞬間、それがわかる時がある。その時に、なんの躊躇もなくパッと動けるのが朝子という人物。ある意味で反社会的なのですが、そこは人間の持つ側面として描きたかった

明日、何が起こるかわからないのは人生の真実なのに、人は社会生活を営むために、そこにフタをして生きている。朝子は、何が起こるかわからない中で生きていくことと、逃げずに向きあっている女性だと感じているのだという。

最後に、この作品を見る人たちにメッセージをもらった。

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家で何度も気になるシーンを観たりしながら、楽しんでほしいなと思います。自分では100%恋愛映画だと思っています。そして、『私はこうはしない』という反論もある映画だと思いますので、そこも含めて、見た人同士で会話を楽しんでください

濱口竜介
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はまぐち・りゅうすけ

1978年生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科修了。東日本大震災の被災者へのインタビューからなる『なみのおと』『なみのこえ』(’13)、染谷将太主演『不気味なものの肌に触れる』(’13)などで注目される。前作『ハッピーアワー』(’15)は、演技経験のない女性4人を起用した5時間17分にも渡る長編。『寝ても覚めても』は初の商業作品となる。


撮影・平賀正明  文・吉田直子

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主演・東出昌大が語る『寝ても覚めても』

2018年夏。U-NEXTは、劇場公開を控えた東出昌大にも話を聞いていた。俳優の立場から見た濱口の演出、そして作品への想いとは?

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